早寝早起き!2日目の朝も、5時過ぎには目を覚ますことができた。外を見れば、今日も天気は申し分ない快晴。朝食をさっさと済ませ(とは言っても、おひつのご飯はしっかりおかわり)、朝8時前には宿を出発。次なる目的地の大台ヶ原を目指す。
[mapsmarker layer=”3″]
【 大台ヶ原 】(地図中の「5」)
洞川温泉(地図中の「4」)からだと大台ヶ原は、修験道で有名な山上ヶ岳に代表される大峰山脈を間に挟んで、ちょうど反対側。山越えのルートには、洞川温泉から北東方向の五番関トンネル経由の山道(林道高原洞川線)を選択。前日に地元の観光協会で尋ねたところ、国道309号経由ではなく、こちらを薦められていたのでした。
しかしこの道、全線が舗装はされているものの、地元の林業用道路と言った感じの狭隘路。途中で対向車が来たりしたらどうしたもんかと、通り抜けるまでずっとヒヤヒヤしどうし。何とか無事に山越えを済ませると、そこには道の駅「杉の湯 川上」(地図中の車マーク)。ほっとひと安心したところで、距離的にはまだたいして走っていないものの小休止。
その後は国道169号を南下し、大台ヶ原ドライブウェイ経由で、朝9時には大台ヶ原の駐車場に着いた。驚いたことに、平日の火曜日でしかもまだ早い時間だと言うのに、駐車場には既に20台前後の車が止まっていた。休日ともなると、200台近い車を止められるこの駐車場も満杯になって、途中の道にまで車があふれ出すらしい。
大台ヶ原には、いくつかの散策路が用意されている。今回は、目ぼしい箇所を短時間で見て回れると思われたショートカットコース(駐車場→尾鷲辻→正木ヶ原往復→牛石ヶ原→大蛇ぐら→シオカラ谷→駐車場)を選択した。しかし軽いハイキング程度で済むと思っていたらば...ぜんぜん違っていた。
歩き始めは、高低差もそれほど無い石畳の道だった。しかし途中からは高低差もきつくなり、ちょっと甘く見ていたことを大いに後悔。コースを一回りして駐車場に戻ってきたときには、もうノドはカラカラで、前日同様、真っ先に飲み物の自販機を探しスポーツドリンクを一気に飲み干した。結局は、2時間40分ものキツ〜イ山歩きとなってしまった。
けれどその価値は十分にあったと言える。日本一雨が降る(年間降雨量は東京の約3倍)と言われる大台ヶ原なのに、その日は全くの快晴だった。高所恐怖症の私にとっては、と〜っても尻込みするような場所もあったけど、その分、景色を十分に堪能することができた。できれば次の機会を作り、一部じゃなくてフルコースを制覇したい。その時には、しっかり山歩きのできる格好を用意した上でネ。
【 いざ伊勢へ 】
大台ヶ原を出てからは、来た道を一部戻る感じで国道169号を北上し、和歌山街道経由で伊勢を目指した。ちなみにこの和歌山街道、紀伊半島の最も幅の広い部分を和歌山県〜奈良県〜三重県と東西に渡って横断し、松阪と和歌山とを結ぶ道のことを広い意味では呼ぶのだけど、ローカルにはちょっと違っていてややっこしい。すなわち、三重県と奈良県の県境である高見峠を境に、伊勢のある東側(三重県側)が和歌山街道で、和歌山のある西側(奈良県側)が伊勢街道と呼ばれる。ちょっと考えると、逆なんじゃないかと言いたくなる。けれど江戸時代からのなごりで、その道がある側の地元の人がどこを目指す道なのかということを基準にして、そうした呼び名がついたものらしい。なお一般には伊勢街道と言うと、伊勢湾沿いに四日市と伊勢とを結ぶ道のことなので、余計にややっこしい。
[mapsmarker layer=”10″]
さてこの日のお昼は、伊勢を向かう途中の道の駅にてフランクフルト1本で済ませた。なぜなら、今夜泊まる伊勢にて地元のものをシッカリ堪能しようと思っていたからネ。伊勢へ向かうために通った山あいを走る国道166号は、も〜っ快適そのもの。車の通行量が少ないからハイペースで走れること走れること。山岳観光地にあるような有料道路と比較しても、全然引けを取らない。途中、走り込みをしてるっぽいバイクにも出会ったことからして、どんな道だか想像に難くないでしょッ!最後は時間節約のために、勢和多気ICから伊勢自動車道を使ったこともあって、伊勢には午後2時半に着いた。
[mapsmarker layer=”4″]
【 伊勢神宮 外宮 】(地図中の「6」)
まずはよく言われる順番通りに、伊勢神宮の外宮へ。ちなみに、外宮をこの後で行く内宮(地図中の「8」)よりも格下に見るむきもあるけど、それは誤り。内宮の場所に神さまが祀られるようになるよりも古くから、外宮の場所には神さまが祀られていたと言われている。けれども今や観光地としては、内宮の方が門前町のにぎやかさの点で完全に勝っている。かつては外宮の周辺界隈も、伊勢市街の中心地に近いこともあって相当なぎわいだったらしいけど、今やその面影はない。このため、この日に泊まった宿に置いてあった小冊子によれば、外宮界隈の人々は「ゆかたで千人参り」?などといったイベントを企画したりして、かつてのにぎわいを取り戻そうと苦労をしているようだ。
【 佐瑠女神社 】(地図中の「7」)
さて外宮とその摂社の月夜見宮へのお参りを済ませた後、すぐには内宮に行かず、その途中にある猿田彦神社に立ち寄った。正確に言うと猿田彦神社の境内にある「佐瑠女神社(さるめじんじゃ)」がお目当て。なぜなら、天宇受売命(あめのうずめのみこと)を祀った貴重な神社だから。アメノウズメは、天照大神が天の岩戸に隠れちまって皆が困ったときに、岩戸の前で踊って天照を引っ張りだすのに活躍した女性。そうしたこともあってアメノウズメは、俳優(この場合、「はいゆう」ではなくて「わざおぎ」と読むのが正しい)の祖神と見なされている。と言うことで当然のことながら、前日参拝した天河弁財天に引き続き、ここもクーさん絡みでお参りしに来たのですヨ。ちなみに、天河弁財天のシンボル「五十鈴」は、アメノウズメが天の岩戸で踊ったときに手に握っていた鈴にいわれがあるそうな。
【 神宮会館 】
続いて向かったのは内宮、ではなくて内宮の目の前にある神宮会館。伊勢神宮崇敬会なる団体が運営している施設だけど、一般の利用者からすれば普通のホテルと何ら変わりはなし。今日はここに泊まります。ツインの部屋に一人で泊まることになるのでちょっと割高(朝食付きで¥9,450)だったんだけど、内宮の目の前という立地条件から選択。神宮会館で荷物をほどいて、まずはほっと一息。
【 おかげ横町 】
内宮は明日の早朝にでもお参りできるしと考え、まずは内宮の門前にある「おはらい町」の「おかげ横丁」へと向かう。「おかげ横丁」は、昔のいろいろなお店の町並みを再現した一種のテーマパークと言ったところ。単に古い町並みがあるだけでなく、飲み食いや買い物ができる店舗としてちゃんと営業もしている。ただし営業時間が限られていて閉まってしまうのが早いので、内宮よりもまずは先にこちらへ来たというわけ。伊勢に以前来たときには、こうした「横丁」が整備されていたことを知らずほとんど素通り状態だった。けれど今回は、事前に調べてみたら、結構おもしろそうな「横丁」だった。それでぜひ寄ろうと考えていたわけ。結果は、期待以上のものだった。
おかげ横丁の町並みは、宮崎アニメ「千と千尋の神隠し」で油屋の手前に建ち並んでいた町並みに似た感じで風情一杯。その中の一軒に、地元名産品を集めて販売している「伊勢路名産味の館」というのがあって、そこでは、どこかの賞を取ったとかいう瓶入り地ビール(中瓶なのに1本900円とチョット高め)を販売していた。その店自体には休憩や飲み食いできるような席は設けられてなかったけど、店の目の前には座敷に縁側が付いた休憩所のような建物があった。聞いたらばテイクアウトOKとのことだったので、その地ビールを購入し(コップも付けてくれた)、休憩所の縁側に座りながらビールを堪能。美味!さらにちょうど目の前には「団五郎茶屋」とかいう店があったので、そこでみたらし団子(1本80円)を買ってビールのツマミに。夕方の日差しと心地よい風を受け、と〜っても気分が良かった。だもんだから、ビールとみたらし団子をさらに1本づつ追加してしまった。自分じゃ全然気にしてなかったけど、ビールと団子の組み合わせなんて、回りからは奇異の目で見られていたかもネ。
それらをひとまず堪能し終わって、さらに横丁の中を歩き回っていると、「豚捨(ぶたすて)」という名前の肉屋を発見。そこでメンチコロッケと普通のコロッケ、さらに生ビールを一杯買って、歩きながら堪能。これまた美味。
そうこうする内に、時刻は午後6時。ほとんどの店は閉まり出した。団子とコロッケとビールだけじゃあ物足りなかったので、「すし久」という郷土料理の店に行く。ここだけは遅くまで(とは言っても夜8時まで)やっていることを、事前に調べておいた。そこでは、麦とろろ膳セットおよびビール生ジョッキ!を注文。けれどこれだけ飲み食いしていると、もう腹はパンパン。食べ終わる頃には、苦しい中を無理やり詰め込む感じになってしまった。なおかつ酔いもだいぶ回っている。
ようやく食事を終えて時計を見ると、時刻は午後7時の少し前。確かこの時期の内宮は、夜は7時まで参拝OKのはず。けれどそれは、参拝を終えて境内を出る時間が7時までなのか、はたまた7時までなら境内に入れてくれるのか不明。「すし久」の店員に聞いても、わからぬとの返事。酔いも手伝ってか当たって砕けろの気分で、内宮への入口となっている橋のたもとへと向かう。
【 伊勢神宮 内宮 】(地図中の「8」)
するとちょうど、守衛が侵入防止の障害物を設置しようとしているところだった。駄目元で尋ねてみたら、メインの所(天照大神を祀っている正宮)だけで他を寄らずに真っすぐに戻ってくるならOKとのこと。入れてもらえると言う予想外の返事にちょっと驚きつつも、お参りをさせてもらうこととする。日もほとんど暮れかかった境内では、玉砂利を踏む自分の足音だけしか聞こえてこない。全くの貸し切り状態で(たぶん要所要所には守衛がいるだろうけどネ)、とっても気分が良いやら、何やらありがたいやら。さすがに正宮の所では守衛がひょいと顔を出して来たけど、向こうもこんな時間に参拝者が来て驚いたんじゃなかろうか?
参拝を済ませ、宿に戻ってきたときには酔いも十分に回っていた。風呂に入る気力もなく、そのままベッドイン。
コメントを投稿するにはログインしてください。